立花隆の蔵書処分

昨年4月に死去したジャーナリストで評論家の立花隆の5万冊を超える蔵書が、本人の遺志で古書店に譲渡された。東京都文京区の「ネコビル」と呼ばれた事務所の部屋と階段の壁面にびっしりと書棚が並んでいる写真を見たことがある。本人は記念館などは作るなと遺言したそうだが、大量の書籍を死蔵させても仕方がないのである。図書館に寄付をされても図書館も迷惑なだけだ。古書店を通じて市場に出し、再流通させるのがベストな方法だろう。本は知らないうちにたまってしまう。時が立てば価値がなくなり、時代遅れになるものがほとんどだが、誰かがもう一度手に取り利用することになれば、本もうれしがるに違いない。まさしく本望と言えよう。