虚子探訪(222) 酌婦
【虚子探訪(222)】
「つくり雨降らせふきあげ噴き上げぬ」
昭和9年6月9日。水竹居招宴。田中家。
人口雨を降らせるために、水を噴水のように放水している。その様子が珍しかったのだろうか。
「ふきあげ噴き上げ」とリフレイン。U音の繰り返しが心地よく響く。
「酌婦来る灯取虫より汚きが」
昭和9年6月11日。おほさき会。丸ビル集会室。
グロテスク・リアリズムとでもいうべきか。許しがたい汚さ立ったのだろうが、美も醜もすべてを俳句とした虚子である。