虚子探訪(11) 間道

【虚子探訪(11)】

 

「間道の藤多き辺へ出でたりし」

 

明治31年。「間道」は、主要な道から外れたわき道や抜け道のこと。間道を抜け出ると沢山の藤の花が咲く川辺もしくは海辺に出た。

 

「逡巡として繭ごもらざる蚕かな」

 

明治31年。「逡巡」は決心がつかずぐずぐずとためらうこと。なかなか繭にならない蚕もいるという発見。蚕もまた生き物である。