虚子探訪(51) 葛水

【虚子探訪(51)】

 

「葛水にかきもち添へて出されけり」

 

明治41年。葛水(葛湯を冷やしたもの)にかき餅(軽く焼いた醤油味の菓子)が添えられて出された。これはメニューの取り合わせとして、かき餅が意外だったのだろうか。よく解らない。

 

「駒の鼻ふくれて動く泉かな」

 

明治41年6月12日。蕪むし会。第五回。寒菊堂。

馬が鼻をひくひくさせて、うまそうに泉の水を飲んでいる。馬ではなく駒としたところがなんとなく雅な感じである。