句集『稲津』(51)新芽

【句集『稲津』(51)】

主なき庭の木々にも新芽かな


散歩の途中にある一軒家、今は誰も住んでいない。庭に植えられた樹木は、人間たちの事情とは無関係に、春になれば今年も新芽をつける。


天井の木目眺める春休み


木造平屋建ての実家の天井は板張りだった。板には当然木目があり、一枚一枚その模様は違う。学年が変わる春休みは、新しい学年への不安と期待があった。