句集『稲津』(130)花筏

【句集『稲津』(130)】


花筏詩人の詠みし数万句


詩人で俳句も作る人がある。清水昶もその一人。句集の後書きには3万5千句以上を詠んだとある。花筏を見ながら、詩人の紡いだ言葉の束を思う。


しばらくは落花のなかにたたずみぬ


桜の散りゆくさまを、たたずみ眺めている。風に舞いながら落ちていく花弁。満開の時は過ぎ、花が散った後の静寂へと世界は移行していく。