句集『稲津』(134)揚羽蝶

【句集『稲津』(134)】

揚羽蝶わが後ろから現れる


揚羽蝶が不意に目の前に現れた。予期せぬ不意討ちに驚く。ふらふらとどこへ飛んでいくのかと、視線が蝶を追いかける。それも一時、最後は行方知れず。


泣き疲れ子は眠りをり弥生尽


電車の中でぐずり泣きしていた小さな子がいたが、親の腕に抱かれながら疲れて眠ってしまった。泣くことも子供の仕事、面倒みる親は大変だが。