句集『稲津』(133)葛の花

【句集『稲津』(133)】

葛の花道を覆ひて続きたる


葛は本当に繁殖力の強い植物で、葉は大きいし蔦は強く絡んで、草刈りの難敵である。山道は葛が占拠してすっかり覆われている。元に戻すのは大変な作業だろうな。



蘖や昔のことは知らないが


蘖(ひこばえ)とは、樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のこと。太い幹に対して、孫(ひこ)に見立てて「ひこばえ(孫生え)」。切った栗の木から新芽が出た。