夏になると桃が食べたくなる。ただ桃は皮がむきにくいし、種も取りにくい。おいしいんだが、きれいに食べるとなると手間がかかる。買ってきた桃に丸ごと、皮をむいてかぶりつく。果汁が口にあふれて、ワイルドな満足感を得た。
翁かの桃の遊びをせむと言ふ
中村苑子の『水妖詞館』にある句。中村苑子が強い思い入れを持つ句。
「桃の遊び」とは何か。よくわからないが、一読すると心にひっかかり記憶に残る句。
中年や遠くみのれる夜の桃
西東三起の第二句集『夜の桃』所収の句で句集タイトルになった句。「夜の桃」とは何か。よくわからないが、夜の桃の言葉の感じがたまらなくいいね。