法事

昨年5月20日に亡くなった母の1年祭を自宅にて催行。我が家は神道である。墓前祭のため墓地へ行き、墓誌の名前を見ながら、いよいよ次に刻む名前は、自分かと思う。とにかくこれで一区切り。
久しぶりに集まった子供達も、法事が終わり帰って行く。



法事すみ心安けし若葉雨


田中冬二の句。

菖蒲の花

会社の前にある舗道の花壇は、菖蒲が満開である。菖蒲は「しょうぶ」と「あやめ」両方の読み方がある。似たような花だが、決定的な違いは「しょうぶ」がサトイモ科であるのに対し「あやめ」はアヤメ科の植物に分類されること。花の見分け方は、花びらに網目状の模様があるのが「あやめ」、花びらの付け根に黄色の模様があるのが「しょうぶ」である。ちなみにもう一つ似たような花である「かきつばた」は花びらの付け根に白い筋がある。


ひらかずに傘待ち帰る花あやめ


田中裕明の句。

檀一雄と俳句

小説家の檀一雄は、太宰治の親友で無頼派と呼ばれた。晩年の小説『火宅の人』は流行語にもなった。俳優の檀ふみは娘。その檀一雄が俳句を作り、『モガリ笛』という句集を出していたことを二ノ宮一雄『檀一雄の俳句の世界』(東京四季出版、令1初版)で初めて知る。文人俳句の本などでも檀一雄の名前はあまり見かけない。曾祖父や祖父の影響を受けて俳句を作り始めたものらしい。私の祖父も俳句を作っていたが、日本は短歌や俳句を庶民が普通に作る詩歌の国なのである。9歳の時に檀一雄の母は幼い子供達を残し出奔してしまう。檀一雄の怒濤の人生が始まったのである。


潮騒や磯の子貝の狂ふまで


檀一雄が19歳の時に作ったという句。

子供の日

勤務する会社は祝日は出勤日なのでGWの3連休も出勤。だが1日くらいは休みたいので5日は休暇にした。朝から快晴、今日は日曜日8日に法事を行うので、自宅と実家の草刈実施。少し残したが体力が続かないので11時に切り上げ。折角の休みなので車で出かける。南風の投句葉書を投函して、コンビニの100円コーヒーで休憩。可児市ブックオフに向かう。『檀一雄の俳句の世界』という本をゲット。その後、可児と土岐の三洋堂書店を廻り帰宅し昼寝。晩酌しながらプレバトとモニタリングを見て楽しむ。入浴後、スマホを見ると選句メールの返信が来ている。充実した休みだった。


夏近し恐竜図鑑踏むチワワ


プレバトの句。

食レポの極意

テレビをつけると、地方グルメをめぐり食レポの名人である彦摩呂とが石塚英彦が対決するという番組をやっていた。司会者が彦摩呂食レポの極意を尋ねると『安価なグルメは目を見開き、高級グルメは目をつむる。こうすれば大方は大丈夫です。』と回答、思わず納得してしまった。グルメ番組は、不味いと言う訳はないので、如何に美味さを視聴者に伝えるかが肝となる。コメントに身体のリアクションが加味されて食レポの完成。彦摩呂の回答は基本で、そこからのバリエーションがプロの技なのだろう。名人の技は、やはり違う。



えび赤きみる貝白き夏料理


高野素十の句。

ふらんす堂通信172

仕事を終えて帰宅すると「ふらんす堂通信」172号が届いていた。「ふらんす堂通信」は出版社ふらんす堂の広報誌である。ふらんす堂通信は会員となり定期購読しているが、それは岸本尚毅の連載『虚子研究レポート』が読みたかったから。レポートは、現在佐藤念腹が論じられていて読み甲斐がある。「競詠七句」も池田澄子、大木あまり、小澤實と好きな俳人がならぶ。ふらんす堂句会の報告や、高田正子選の投句欄もあり充実した編集である。年4回の発行なので、次号がでるまでたっぷり楽しめる。


青山より風吹くごとし蕨狩


大木あまりの掲載句。

睡眠負債

よく寝た、目覚めもさわやか。久しぶりに熟睡した。最近はぐっすり眠ることが少ないので、身体が重いのである。これはもしかしたら「睡眠負債」というものではないかと心配している。「睡眠負債」とは、毎日少しずつ睡眠不足が借金のように積み重なっていくことで、積もり積もると生活習慣病やうつなどの心身の不調となって返済を迫られるという。どれだけ眠ればいいのだろう。日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、OECD加盟国27カ国中でワースト1位らしい。とにかく頑張って眠るとしよう。ローンは全部返済した、借金は嫌いである。


春眠や両の手足は地の果に


橋閒石 の句。