未来図

新型コロナウイルスへの対策に追われる毎日で、未来図など思い浮かばない。しかし、終わらないものは無く、未来は新たな未来のために、次々と現実となって現れる。


未来図は直線多し早稲の花


鍵和田釉子の句。初学の頃一読して以来忘れなれない句。若い時に夢見る未来図へは常に一直線で最短。せっかちな思いは、早稲の花に象徴される。鮮やかに人生の一面を切り取って見せた。
本人も会心の作だったのだろう。第一句集名は『未来図』、主宰する結社誌名も『未来図』である。
自解によれば、筑波山が見える田園に、新しい道が直線に伸びていたという。作者も自分の思い描いた未来図を信じ、それに賭けたのである。