句集『稲津』(153)マフラー

【句集『稲津』(153)】


漆黒の夜を揺らして葉鶏頭


真夜中に風に揺れている葉鶏頭を詠んだのだが、葉鶏頭が夜を揺らしているのだと真逆の視点を設定してみた。言葉の調子で持ちこたえているだけの句になっている。


マフラーや少女の首が花の蕊


マフラーをしている少女が花のようだと詠んだ句。花に見立てるなら少女の首は花の蕊だとした。冬の思い思いのマフラー姿を見るのは楽しい。