句集『稲津』(30)八寸

【句集『稲津』(30)】

八寸の小鮎涼しく置かれたり


懐石料理の八寸で出されたその料理は、小鮎が生きて泳いでいるかのように盛り付けられていた。料理人の技を見て楽しむのも料理の醍醐味。箸をつけるのがもったいない。


炎天下口を結びて男立つ


最近の夏は、猛暑日が状態となってしまったが、だからといって仕事が休みになるわけでもない。炎天下さあやるぞと口を一文字にぎゅっと締め、男は打って出るのである。