句集『稲津』(141)母入院2

【句集『稲津』(141)】

鼻腔より酸素を入れぬ夕薄暑


入院した母は、酸素ボンベを傍らに置き鼻に酸素を入れる管をつけて暮らすことになった。酸素マスクで口が塞がれないだけ良しとしよう。


点滴の管の長さや梅雨の入


点滴はやがて外れたが、筋肉は落ち歩行困難のため、老人保健介護施設にお世話になることになった。入院したことのない頑健な母だったが、環境は激変した。