句集『稲津』(53)鯉のぼり

【句集『稲津』(53)】

鯉のぼり風につかまれ跳ね上がり


吊された鯉のぼりが風を受けて泳いでいる。強い風になるほど鯉のぼりの動きも大きくなるが、跳ね上がるように見えることも。長野県阿智村で鯉のぼりを見て作句。


夏来る小鳥のとばす水しぶき


水を呑みに降り立ったのだろうか。小鳥が羽根を拡げて飛び立つ時に水しぶきが上がった。飛ばされた水しぶきが太陽の光を反射して輝く。小鳥の姿に夏が来たと思った。