句集『稲津』(75)桜餅

【句集『稲津』(75)】

春筍地面押し上げ覗きけり


筍が地面から生えてくる季節。筍にしてみれば暗い地中を成長して地面を出た時は、突然世界が開いたみたいな感じなのだろうか。恐る恐る、しかし興味津々で覗いている。


桜餅一つは君に取つておく


サクラ色に着色された桜餅が店頭に並ぶ。季節のものだからと購入。美味しいけれど全部は食べない。一つは君のために残して、春の喜びをお裾分け。