句集『稲津』(140)母入院

【句集『稲津』(140)】

母入院

五月雨や母乗せ運ぶ車椅子


母の体調が急変。自家用車で地元の総合病院にいき、車椅子を借りて運びこむ。肺気腫との診断。そのまま入院し、点滴と酸素吸入器を装着して、寝台に寝たままとなる。


夏を病み部屋中母の呼吸音


病室は母のぜいぜいと呼吸する音が鳴り響く。危篤状態と告げられ、家族親戚に連絡する。ただ見守るしかなかったが、病院の手厚い治療の結果一命を取り留めた。