句集『稲津』(154)根深汁

【句集『稲津』(154)】

父娘二人の夕餉根深汁


父と娘が相向かいで夕飯の食卓に座り、根深の味噌汁をすすっている。あらたまって娘と二人きりになると、話すことがあるような、ないような。


頭上には高速高架十二月


会社の前面道路の上を名古屋自動車道が走っている。師走と呼ばれる十二月、走る自動車もせわしげ。慌ただしく一年が終わり時が過ぎる。歳月は人を待たず、か。