句集『稲津』(93)マフラー

【句集『稲津』(93)】

大寒の夜走りゆく貨車の音


通勤の車が止めてある駐車場へ行く途中に踏切がある。踏切でいつも通過する貨車を待つ。轟音をあげて貨車が走り去る。夜に蠢くものの一つ。


マフラーを巻きて笑顔をとりもどす


寒さの厳しい日は、マフラーを巻く。マフラーが首周りを暖かくして、ほっと一息。厳しい顔つきだったのだが、笑顔をもこぼれるというもの。