虚子探訪 (8) 野分

【虚子探訪 (8) 】

 

「鶏の空時(そらどき)つくる野分かな」

 

明治29年。「空時(そらどき)」がよく解らない。。「空(そら)」は形容動詞で「心がうつろで落ち着かないさま。気もそぞろなさま。うわのそら。」を意味するので、台風が来ることを察知して、鶏が落ち着かず騒いでいる様子が詠まれていると解釈した。

 

「弟子僧にならせ給ひつ月の秋」

 

明治29年。一年で一番美しく見えるのが秋の月。月を坊主頭に見立て、弟子の僧にしてほしいくらい美しいとお道化て詠んだ句ではなかろうか。