虚子探訪(48) 椎大樹

【 虚子探訪(48)】

 

「秋空を二つに断てり椎大樹」

 

明治39年10月15日。高く広々と澄み渡る秋の空を二つに切り分ける、それはそれは大きな椎の樹。「二つに断てり」の中7に常緑樹である椎の生命力が感じられ、背景に広がる秋空の透明感が心地よい。

 

「煮ゆる時蕪汁とぞ匂ひける」

 

明治39年。蕪汁が好いにおいをたてて煮えている。食欲をそそる香りがあたり一面に広がっていく。