虚子探訪(14) 冬籠

【虚子探訪(14)】

 

「耳とほき浮世の事や冬籠」

 

明治31年。煩わしい現実から離れて冬ごもりしたいなあという、ちょっとお疲れモードの作者がぼやいてみた句。

 

「鶯や文字も知らずに歌心」

 

明治32年。「鶯ってやつは、文字は知らないけれど歌心はあるねえ。いい声で鳴くじゃないか」という作者の声がする。