虚子探訪(47) 艶な砧

【 虚子探訪(47)】

 

「後家がうつ艶な砧に惚れて過ぐ」

 

明治39年9月24日。

「砧を打つ後家さんの姿が色っぽくてねえ、惚れちゃったよ」という虚子がいる。この後家さんは、余程イイ女だったんだろうねえ。

 

「老の頬に紅潮(くれないさ)すや濁り酒」

 

明治39年10月15日。

「爺さん、酔っぱらったのかい。頬っぺたが真っ赤だぜ。濁り酒はきくねえ。」ということ。