句集『稲津』(13)浜千鳥

【句集『稲津』(13)】


立春の駅を小走り浜千鳥


出張で山口県に行った時に駅のホームで電車を待っていると、足早にかけていく浜千鳥を目撃。小鳥が二本足でトコトコ歩き回るその姿は愛らしい。立春の長閑な風景。


梅が枝まろき蕾のひしめける


万葉集の頃、花と言えば桜ではなく梅であった。それくらい日本人は梅の花を愛してきた。梅の花が咲くのを楽しみに、散歩しながら今はどんな案配かなと覗いている。枝びっしりとひしめくように蕾がついている。開花するのは、もうまもなく。