句集『稲津』(112)柿落葉

【句集『稲津』(112)】

夕べには見渡すかぎり刈田かな


兼業農家が多いので稲刈りも土日の休日に一斉に行われる。朝にあった稲穂は収穫されて、夕方には刈田が一面に広がっている。田舎の田園風景は一日で転換する。


川底をゆつくり流れ柿落葉


自宅も実家も横を川が流れていて、生垣に植えられた柿の落葉がそこを流れていく。
川の流れがゆつくりと落葉を移動させていく。一カ所に留まることはない。