句集『稲津』(156)六花

【句集『稲津』(156)】

彼方より沈黙つれて六花


外は雪が降っている。雪は遠い彼方からやってきて静かに降り積もる。雨のように音は立てない。雪も降る雪を見る人にも、ただ沈黙の時間があるばかり。


寝室に響くストーブ燃ゆる音


寝室に一人いる。暖房のために焚いている灯油ストーブの音が聞こえるだけ。ストーブの覗き窓には、赤い炎が燃えているのが見える。炎は上に上がり、常に揺らいでいる。