句集『稲津』(65)銀漢

【句集『稲津』(65)】

南天の実の赤々とこぼれけり


大きな南天の木に実がびっしりとつき、天然のデコレーション・ツリーとなって、赤色がこぼれ落ちるようだ。蕭条とした冬の景色の中で、南天の赤は際立つ。


銀漢の下に人生散らばれり


満天の星空の下、星の数ほどに人もいてそれぞれの人生がある。世界は散らばる人生で構成されている。『俳句』に山西雅子選者で佳作入選。