句集『稲津』(82)女郎花

【句集『稲津』(82)】

白鷺の両翼延びて陽に入る

白鷺が空を飛んでいる。翼を一杯に拡げて旋回している。視界と太陽の間に入って、光の中に白鷺が消えた。燦然と輝くものが短かにある。


女郎花今日また少し背が伸びて


女郎花を花壇に植えていた。少しずつ背丈が伸びてゆくのを見るのが楽しみだった。女郎花の花があるなら男郎花の花もある。男郎花の花は育てたことがない。